プロ野球選手 一場靖弘

一場靖弘は、1982年生まれで群馬県出身の元プロ野球選手です。桐生第一高校2年生の時に、甲子園の夏の大会で2番手投手として活躍し優勝に貢献しました。高校卒業後は、明治大学に進学して才能を大きく伸ばします。大学通算では、52試合に登板して26勝15敗の好成績を残しました。東京六大学を代表する好投手に成長した一場の獲得を希望するプロ球団は多く、複数の球団で争奪戦が繰り広げられて一場事件にまで発展しました。

一場事件とは当時明治大学の学生だった一場靖弘に対して、2004年にドラフト自由枠での獲得を目指していた複数の球団が、日本学生野球憲章に反した行為を行ったものです。読売ジャイアンツが食事代や小遣い名目で約200万円、横浜ベイスターズが約60万円、阪神タイガースが約25万円を渡していたことが発覚して、3球団のオーナーは辞任しました。

広島カープは交通費として数千円を渡していましたが、球団側は「適正な金額」と説明しています。事件の影響を受けて、各球団は一場の指名に消極的な姿勢へと転じましたが、2005年に創設した東北楽天は即戦力投手を探していたため、自由枠での入団が決まりました。プロ入り後は、1年目から先発ローテーション入りしましたが、2勝9敗と期待された結果は残せませんでした。2年目は7勝14敗と勝ち星は伸び悩みましたが、30試合に登板してチームに大きく貢献したのです。その後は、2009年にヤクルトに移籍しましたが活躍はできず、2012年10月に戦力外通告を受けました。その後、12球団合同トライアウトや韓国プロ野球チームの入団テストを受けましたが、合格できず引退しました。